ばんえい十勝で2025年3月16日（日）に行われた「農林水産大臣賞典第57回ばんえい記念」（4歳以上オープン・BG1）は、メムロボブサップ号が第二障害ひと腰から鋭く突き抜け優勝しました。
降りしきる雪の中、馬場水分1.3％、レース直前にキンツルモリウチ号が除外となり７頭で行われた本レース。静寂の中、陸上自衛隊第5音楽隊による新旧ファンファーレと大きな歓声につつまれ、一斉にスタートを切った精鋭7頭。第一障害を先頭で越えたのはメムロボブサップ号、続いてインビクタ号、コウテイ号、コマサンエース号と追走。メムロボブサップ号が一息入れたところでインビクタ号とコマサンエース号が前に出ますが、1トンという高重量戦（5歳馬は990kg）ということもあり各馬何度も息を入れながら歩を進めます。中間点を過ぎたあたりからタカラキングダム号を除く6頭がほぼ一団になり、やや抜け出したダイリンファイター号を先頭に各馬続々と第二障害に到達します。
各馬じっくりと息を入れた後、コマサンエース号、ダイリンファイター号、インビクタ号、コウテイ号の4頭が一斉に仕掛けます。観客の大歓声の中、最初に第二障害をクリアしたのはコマサンエース号。コウテイ号、インビクタ号、メムロボブサップ号と続きます。
メムロボブサップ号が残り30mでコマサンエース号を交わすと、最後まで止まることなく後続を突き放し快勝。この勝利で2007年に引退したスーパーペガサス号に続く史上8頭目の収得賞金1億円を突破しました。
メムロボブサップ号を管理する坂本東一調教師は「ばんえい記念」をこの馬で制した2023年以来3度目の勝利。前日に急遽の乗り替わりとなった渡来心路騎手は初騎乗初制覇となりました。

レース結果／
https://www.keiba.go.jp/KeibaWeb/TodayRaceInfo/RaceMarkTable?k_raceDate=2025%2f03%2f16&k_raceNo=12&k_babaCode=3

レース映像／
https://keiba-lv-st.jp/movie/player?date=20250316&race=12&track=obihiro

＜メムロボブサップ号のプロフィール＞　※2025年3月16日現在
生年月日・毛色：2016年4月14日（牡9歳・鹿毛）
血統：父　ナリタボブサップ 　母　ピュアレディ　（母父）　アキバオーショウ
生産者：竹澤　一彦氏
馬主：竹澤　一彦氏
厩舎：坂本　東一厩舎
通算成績：110戦52勝（うち重賞23勝）


坂本東一調教師のコメント／
帯広記念以降はこのレースに絞っていました。チャンピオンカップでは少し無理をさせてしまった感じがありましたが、後遺症も残らずにしっかりと歩き切ってくれたのは、阿部騎手が本当に努力してくれた結果なので、凄く感謝を伝えたいです。
阿部騎手の怪我は本当に突然だったので少しパニックになりましたが、渡来騎手なら冷静に騎乗してくれると思い依頼しました。このレースまで渡来騎手は本当にこの馬には乗っていませんでした。馬は完璧に仕上げたのであとは乗り方次第でした。
レースに関しましては、想像していた展開と少し違うと思うところがありましたが、渡来騎手も同じタイミングで違うと気付いたようでしたので、渡来騎手の直感は素晴らしいものだと思います。ゴールした瞬間は本当に言葉が出なかったです。
今年度は最高のレースで締めくくることが出来ました。騎手時代より今の見ている方がすごく緊張します。
今日のボブサップに私も感謝しています。皆さんの応援があったからこそボブも応えてくれたと思います。
これからも応援よろしくお願いいたします。

渡来心路騎手のコメント／
凄くホッとしているのと、嬉しい気持ちです。騎乗が決まった時は、本当に自分でいいのかと思いました。心臓がバクバクして、プレッシャーがすごくて不安でしたが、プレッシャーを感じすぎて逆にやるしかないという気持ちになりました。
レースに関しては雪が降りましたが、1トンという重量なので焦ることなくしっかりと溜めていこうと思いました。阿部騎手がしっかり仕上げてくれていたので、スタートを出た瞬間に本当に完璧な馬だと感じました。そのお陰で焦ることなくしっかり馬に任せて乗ることが出来ました。先行馬がいましたが1トンの重量なので慎重に進みました。障害を上手く越えることが出来ればしっかりと歩き切ってくれると思っていたので、焦ることなく馬の呼吸を見ながら乗ることが出来ました。先に第二障害を越えた馬もいましたが、馬が完璧だったので焦ることはありませんでした。下りてから勢いがありましたので勝てるなと思いました。ゴールした瞬間は本当に嬉しかったですし、阿部騎手と坂本調教師、馬主さんと応援してくださったファンの皆さんに感謝します。
本当に応援ありがとうございました、今年はすごく充実した一年でした。今シーズンは終わりましたが、来シーズンもしっかり頑張って行きますので応援よろしくお願いします。


■2着　コマサンエース号
金田勇調教師
大健闘してくれました。今までアオノブラックの影に隠れていたこの馬が力をつけてくれたということもありますが、この1年で騎手との相性がかなり良くなってきたと感じます。コマサンエースを信じて強気で行った展開は、私が思った以上のレースとなりました。また、ライバルに追いつけ追い越せでやっていきたいと思いますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。

金田利貴騎手
極端な軽馬場となったので本当は逃げたかったのですが、周りのペースも速かったので逃げ切れず少し苦しい展開でした。でもこの重さを曳きながら最後までよく頑張ってくれました。強くなってきているので、また来年度に向けて良いレースができるよう頑張りたいと思います。

■3着　コウテイ号
槻舘重人調教師
障害も上手に上がりましたし、下りてからも良い脚を見せてくれました。今日のレースはどこも悪いところがなく素晴らしい内容でした。結果や条件は仕方がないので、勝っても負けても次はばんえい記念ならではの重たい馬場でやりたいですね。いつもたくさんの皆様の応援に感謝しています。来年度こそはという思いでまた挑みたいと思います。

西将太騎手
3着でしたがこれ以上ない最高のレースをしてくれました。馬場がこれだけ軽くなったので、スタートからかなり早いペースで進まざるを得ませんでしたが、昨年は第二障害で止まってしまったことを考えると、今年は一腰でクリアしました。コウテイが本当に頑張ってくれました。来年もまた頑張ります。